さくらのクラウドの料金が発表になり、相対的に他のクラウドサービスより安いと言われています。ところが、実際にAWSなどから置き換えるような用途を考えた場合に、今までの感覚でプランを選ぼうとすると、本当に安いのか疑問になる部分が出てきたので、シミュレーションをしながら考えてみました。
バランスが悪い?CPUがネック?
アプリケーションサーバーの用途などCPUパワーが必要なケースを考えます。
例えば、4コアは欲しいけどメモリは少なくてもいい場合、4コアの最低プランであるプラン7(メモリ16GB)を選択しないといけなくなります。これはAWSでいうCPUに重みを置いたc1.mediumインスタンスのようなプランがないためで、バランスが悪くオーバースペックになってしまいますし、価格も高めになります。
しかし、パフォーマンスは使われているサーバーのスペックやリソース配分が影響を与えるので、元々の能力が違う上でコア数の多寡だけを取り上げても判断材料にはなりません。
実際多くの方が、先行サービスのさくらのVPSとAWS(EC2)のベンチマークを行なっていて、結果は概ねさくらのVPSが優れているというものです。
- unixbench on AWS micro instance & さくらのVPS – Never forget your first resolution.
- 格安の低価格VPSを比較する – さくらインターネット創業日記
- Amazon EC2性能検証!気になるパフォーマンスをインスタンスタイプやリージョン毎に計測・比較してみた – RX-7乗りの適当な日々
また、EC2で定義されているECUというCPUの単位は、以下のようなものです。
特定のインスタンスに配分されている CPU 量は、これらの EC2 Compute Unit で明示されます。当社はいくつかのベンチマークとテストを使用して、EC2 Compute Unit のパフォーマンスの安定性と予測可能性を管理します。1つの EC2 Compute Unit は、1つの 1.0-1.2 GHz 2007 Opteron または 2007 Xeon プロセッサの CPU 能力に等しい能力を提供します。
引用元 Amazon EC2 インスタンスタイプより
c1.mediumインスタンス(5 ECU(2.5 ECU × 2仮想コア))の場合は2007 Opteronの2.5-3.0GHz × 2仮想コア相当のパフォーマンスだということになります。
この辺りを考慮にいれて、コア数に振り回されないように、実際のアプリケーションでテストを行って最適なプランを選ぶことになりそうです。
現段階では安いとも高いとも言えないところです。
メモリ特化の用途には安い!ではディスクは?
DBサーバーやキャッシュサーバーの用途などメモリが多く必要なケースを考えます。
例えばmemcachedサーバーの用途でメモリが8GBあればCPUもディスク容量も問わないケースだと、プラン5になりAWSのm1.largeインスタンスと比べて半額で済みます。
一方、m1.largeインスタンス並のディスク容量を追加しようとすると、プラン5+750GBで26,150円と高くなります。
これはAWSのディスクが安いとも言えるので、大容量のストレージが必要な場合はさくらのクラウドは安いとは言えないでしょう。
実際、DBサーバーの用途で8GBのメモリを積んだサーバーを運用する場合、850GBものデータを扱うことはパフォーマンスを考えるとありえないので、通常のケースでは問題にならないと思っています。
トラフィック特化の用途では?
大容量コンテンツの配信やストリーミングサービスだけでなく、単純にアクセス数が多いサービスだと転送量に対する課金が全体の半分くらいに達することもあります。
さくらのクラウドは転送量やリクエスト数に応じて従量課金されることがないので、トラフィックに関しては安いと言えます。
スペック・料金シミュレータ
上記を踏まえて、スペックと料金のシミュレータを作って見ました。
利用したいスペックを選択するとマッチする最低ラインのプランが決定されます。
利用したいスペックよりも表記上オーバースペックの場合、該当のスペックが赤くなります。
(※ 料金表記などに誤りがある場合もありますのでご了承の上、ご利用下さい。)
利用したいスペック
選択されたプラン | |
---|---|
CPU | |
メモリ | |
ディスク | |
月額料金 | |
日割料金 |
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